通信チェスは普通のチェスと何がどのように違うのでしょうか?

普通のチェスは、対局者が同時に向かい合って対局するものです。チェス盤を挟んで座るところから、OTB(Over The Board)といいます。公式トーナメントでは通常チェスクロックを使用し、持ち時間切れは負けとなります。 OTBを広く解釈すれば、ICCやyahoochessのように、空間的に遠く隔たっていてインターネットを利用したオンライン対局も、対局者が同じ盤面を見ながら同時刻に向かい合って対局しているのであれば、それはOTB対局ということができます(OTB は o-t-b などとも綴ります)。

通信チェスの一番の特徴は、対局が同時刻に行われず、異なる時刻に対局するチェスだということです。
指し手は、郵便(Postal)・Email・Web server などの通信(correspondence)手段を利用して対局相手に伝えます。同時期に複数のトーナメントに参加していれば、毎日のように対局相手からの指し手が届くことも稀ではありません。

通信チェスの二番目の特徴は、持ち時間が、時間ではなく、日数で定められていることです。
たとえば、「10手ごとに40日」などのごとくです。対局者は対局相手から指し手が届くと、持ち日数の中で、ゆっくりじっくり、何日考えたって良いのです。どうです、スローライフな時代にぴったりですね。たくさんのトーナメントに同時参加すると毎日のように指し手が届くのでちょっと忙しいことになります。自分の状況に適したゲーム数で進行できるように、参加するトーナメント数をコントロールしましょう。

対局相手が日数切れとなっても、(どんなことが起ころうとも)対局相手を責めることは厳禁です。ルールに従い、対局相手に自分の指し手が届いているかと尋ねることによって、「忘れていませんか」と注意を促さなければなりません。対局相手から返事がきてはじめて対局相手の「時間切れ」が確定します(WebChessでは自動的に時間切れが確定します)ので、対局の立会人であるTD(Tournament Directer)に連絡しましょう。
対局相手が指し手を伝えてこない場合は、その旨をTDに苦情申立てします。TDからも相手に連絡が取れないときは、あなたの勝ち(または廃止)だとTDが裁定してくれます。
AMICI SUMUS!

心に余裕を持ってチェスを楽しみましょう。対局相手は皆、チェス友達(chess friends)です。通信チェスの国際本部である ICCF(International Correspondence Chess Federation)のモットーは、“amici sumus”です。これは、英語で“We are friends”、スペイン語で“Somos amigos”、イタリア語で“Siamo amici”、すなわち「私たちは友達だ」を意味するラテン語なんですよ。
“amici sumus”は通信チェスでは挨拶語としてもよく使われます。例えば、通信文のはじめに書いたり、結びの文句の”sincerely yours”の代わりに”amici sumus”を使ったりします。

さて、通信チェスの三番目の特徴は、納得がいくまで、チェス書を調べても良いということです。
「ヒカルの碁」という囲碁マンガに、中学校の囲碁部のキャプテンが、公式トーナメントで定石書を見ながら対局しようとするシーンがありました。本当は囲碁も強い将棋部のキャプテンに「強くなれないぞ」って怒鳴られていましたけど。

通信チェスは初心者でも参加しやすい理由がここにあります。定跡のいろいろな変化を調べ、考えながら指していくことで、力がつかないはずはありません。自分の頭で考える、というところが大事です。序盤に仕掛けられた罠を見破ることができれば快哉を叫びたくなるでしょう。

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